愛甲次郎 個展「ピアニシモな鎧」

「無題」 1000mm×727mm 雲肌麻紙、墨、鉛筆 2023年制作

愛甲次郎 個展「ピアニシモな鎧」

会期:2023年12月20日(水)-2024年1月21日(日)

開廊時間:13:00-19:00

休廊日:月-火 ※年末年始休 12月28日-1月5日


この度、TAKU SOMETANI GALLERY では、愛甲次郎個展「ピアニシモな鎧」を開催いたします。

作家の愛甲は日本画の技法をベースとし、雲肌麻紙を支持体に、鉛筆、墨を用い、独自表現を試みています。

それらの画材は、とても繊細で壊れやすい性質を持っていますが、描かれた作品からは鑑賞者を強く惹きつける力強さを感じます。

繊細な画材を用いることにより、人が持っている機微や繊細さと外部に対する頑固な鎧や攻撃性が現れているようにも感じます。

是非、この機会に愛甲次郎作品をご高覧頂ければ幸いです。


・ステートメント

中学生のころ、最後の課題曲としてドビュッシーの「沈める寺」の楽譜が渡された。

「海に沈んだ聖堂の鐘が鳴り響く曲です。ピアニッシモ(とても弱く、小さく)から始まります。」と教えられた。

ピアノ嫌いの私が興味を持った最初で最後の曲で、美しいとすら思った。

静かな曲で、小さな音の階調を観察するのは楽しかったが大きい音の幅を出すのは苦手だった。

人に対する見方もこれに似ていて、機微や繊細さなど人の静かな性質に興味が向く。

芯があってブレのない一見強そうな人間に対しても、うつろいやすく細やかな性質が垣間見えると愛おしく思う。

強固な鎧のようなものが柔らかい布に見えてくる。

ところが私自身の傷つきやすさに驚き、頑丈な防具を手に取ると人の繊細さを感じにくくなる。

自分の壊れやすさに蓋をすることで歩み寄ったり手を差し伸べることが難しくなり、時に攻撃的になる。

ピアニッシモを保つのは力のいることで負荷もかかる。思わず鍵盤を強くたたいてしまい、金属の鎧が欲しくなることもあるだろう。

それでも細やかさを見失わないよう、柔らかな布を身にまとっていきたい。

愛甲次郎


・略歴

愛甲次郎 Jiro Aiko

画家。東京都生まれ。

2017

サンプラー・アーティストblahmuzik、CDジャケットにアートワーク提供

2018

大子アーティスト・イン・レジデンス/DAIR、茨城

JET SET開業20周年企画、アートワーク提供

2019

りんご音楽祭 ポスター アートワーク提供

「それぞれのパーティ/かまわぬ」

小林直博、愛甲次郎合同展

GALLERY X BY PARCO SHIBUYA

個展「覚束なさへ」CANDLE CAFE & Laboratory△ll

2020

個展「No.34」CANDLE CAFE & Laboratory△ll

2022

個展「湯煎するように」CANDLE CAFE & Laboratory△ll

個展「fragments」銀座 蔦屋書店

個展「小指の抱擁」CANDLE CAFE &

Laboratory△ll

2023

個展「だいじょうぶ。」 MAT

グループ展「UNLOGICAL 06」MONO.LOGUES

Translate »