山口由葉「目を凝らして 泣いて、」 2025年12月12日(金)- 2026年1月13日(火)

山口由葉 「目を凝らして 泣いて、」

会期:2025年12月12日(金)- 2026年1月13日(火)

開廊時間:12:00‐19:00

休廊日:水‐木曜日

東京都千代田区内幸町 1 – 1 – 1 , 帝国ホテルプラザ東京1階

TAKU SOMETANI GALLERY in progress


 この度、TAKU SOMETANI GALLERY では、山口由葉「目を凝らして 泣いて、」を開催いたします。山口由葉は 1992 年生まれ。 日常で目に光景や移動中の景色をドローイングし、その形を画面に取り込み絵画として構成してるいる。その制作過程で様々な選択が行われ、絵画空間での出来事を経て作品を完成させています。当ギャラリーでは 3 回目の個展となる本展で、作家山口の新作をご高覧いただければ幸いです。


・ステートメント

 私の絵のモチーフは私の日常の風景であり、具体的なテーマやメッセージ性はとくにない。しかしながら「ある対象を描いている」という意識はとても重要だ。「なにを描くか」は「どう描くか」に直結している。
 例えば、ドローイングは普段使っているバスや、他の人が運転する車の中で行う。車窓の風景を見ては覚え、描き、描こうとした景色を忘れたらそれでおしまいの黒い線のドローイングだ。印象の強いところだけが記憶に残ってできあがる。
 アトリエに持ち帰ったドローイングは記憶を蘇らせるための装置だ。ドローイングを使ってタブローを描くときはドローイングとしていいかではなく、思い出せるかで使うかどうかを決める。
その記号的な形からどう描き始めるのか、最終的にどうなるのかを考えてから逆算して色や艶の有り無し、筆の運び方やその順序を決め、描き始める。しかし、描く前にあれこれ考えた計画はその通りにはいかない。一手一手こうなったからこう描こうと反応し、考えながら描いている。
初めの一手が何かによって絵は全く変わってしまう。私は考えながら描いた絵具の重なり、それが示すプロセスをもっとも大切にしている。
 絵が完成するときは予想できる時もあれば、突然訪れる時もある。完成はどこにも手を入れることができない状態のときだ。どの部分も全体で見ると成立している。
 私がタブローに求めるのは、 途中経過の“描きっぱなし” のようでありながら実は完成しているギリギリの絵画である。 これによって、鑑賞者は“描きっぱなし” である途中の絵だという認識を転換しなければならない。また描く順序がわかるような描き方をすることで見る側は私の絵描きとしての思考を追体験する。 追体験の中で1 枚の絵画としての成り立ちに、私が求めた要素や、過程に生じたさまざまな選択を、 どのように受け取るのかを絵の前の他者に問う。


・略歴

山口 由葉 / Yuiha YAMAGUCHI
1992 愛知県生まれ
2012.4 名古屋造形大学造形学科造形学部洋画コース 入学
2016.3 名古屋造形大学造形学科造形学部洋画コース 卒業
2016.4 名古屋造形大学大学院造形研究科修士課程造形専攻 入学
2018.3 名古屋造形大学大学院造形研究科修士課程造形専攻 修了
2018.4 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画 入学
2020.3 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画 修了

個展Solo exhibition
2024.10 まばたきを繰り返す/Gallery Hayashi/ 東京
2023.6-7 線をひっぱる/TAKU SOMETANI GALLERY/ 東京
2023.4-6 project N 90 山口由葉/ オペラシティアートギャラリー/ 東京
2021.12-2022.1 四角い宇宙/TAKU SOMETANI GALLERY/ 東京
2021.5-6 絵 雨の雫/Gallery Valeur/ 名古屋
2020.7-8 私の近所の絵/Art Space & Cafe Barrack/ 愛知

グループ展Group exhibition
2024.12 WHAT CAFE EXHIBITION vol.39 Emerging Directors & Curators U40/WHAT CAFE/ 東京
2024.11-2025.1 WINDOW GALLEY in MARUNOUTI from AATM vol.2/ 行幸地下ギャラリー/ 東京
2022.5-6 Valeur/Gallery Valeur/ 名古屋
2020.9-10 流れて描く/ アートラボあいち / 名古屋
2020.9 アートアワードトーキョー 丸の内 2020/ 行幸地下ギャラリー/ 東京
2020.1-2 第 68 回東京藝術大学卒業・修了作品展/ 東京藝術大学上野校地 / 東京
2019.10 CAF 賞 2019 入選作品展覧会/ 代官山ヒルサイドフォーラム/ 東京
2018.2 第 14 回名古屋造形大学 大学院修了展/ 名古屋造形大学/ 名古屋

レジデンスArtist in residence
2018.8-10 香港バプテスト大学/ 香港/ 中国

アートフェア
2025.9 DELTA South/ 福岡

奨学生制度
第36 回 ホルベイン・スカラシップ

助成金
クリエイティブ・リンク・ナゴヤ 助成C キャリアアップ

受賞歴Award
2020.9 アートアワードトーキョー 丸の内 2020/ 野口玲一賞
2019.10 CAF 賞 2019/ 白石正美賞

Translate »