王之玉 個展

王之玉 個展 「告白」(Confession)

会期:2024年9月26日(木)-10月13日(日)

開廊時間:13:00-19:00

休廊日:月曜

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-10-1サンデシカビル1階


この度、TAKU SOMETANI GALLERY では、王之玉個展「告白」 (Confession)を開催致します。作家の王之玉はこれまで、現代社会が段々失っていく精神性と宗教性を備える場と時間を提示し、取り戻す事を目標に制作活動を行ってきました。当ギャラリーでは2回となる今回の個展では、王之玉の新作を発表致します。是非この機会にご高覧頂けると幸いです。


•ステートメント

私の創作過程において、いつからか私の作品は徐々に“完璧”、“神聖”、“平和”、そして“非現実的”になっていた。でもこれは悪い方向だと思わない。私は特定のテーマ、特定の文脈、特定の文字記号に執着し、掘り下げて研究し、もはや強迫的にそれらのコンセプトを作品に完璧に統合し、究極の表現を追求していた。
しかし、時間が経つにつれて私は疲労を感じ始た。あれは、必死に叫んでいたが無音だったような感覚だ。私は不可解な落ち込みを感じ、未知のジレンマに巻き込まれた。
私は自分の作品を再度考え始め、頭の中のユートピアを一時的に離れなければならなかった。自分の周りで起きている、起きていたすべての現実の出来事と再び繋がり、感じようとした。
私は親と一緒にいくつかの都市に住んでいた。しかし、私は常にどこにも属してないと感じた。漠然とした不安と疎外感が常に付きまとってた。私は17歳の頃に故郷を離れ、一人で暮らし始めた。しばらく経って日本にきて、ゼロから生き始めた。私はあらゆる経歴を大切にし、感じて、自分の性的アイデンテティも徐々に認識し、受け入れ、自分は何者なのかを分かり始めた。すでに満たされているが、それでも私は自分の“家”、自分のコミュニティ、自分の居場所がどこにあるのか、分からない。
作り続けることしか私に真の安らぎを与えてくれなかった。作り続けることしか自分の存在を確かめることができなかった。
私は山も、海もない北の寒い平原で育った。日本で暮らし始めてから、私は自分にとっては普通でない、もはや少し非現実的な自然の中に入り始めた。その生命力が溢れている原始的な完全自然体に惚れた。山に登り、海に入り、私は全身全霊を動かし、自分の体と心を生贄のように自然に捧げる。そして雑念を全て置き去りにする。自然はいつも落ち着いて、私のすべてを受け止めてくれる。
日々の思考と自然との交わりの中で、遂に,私は再び目覚めた。なぜ私は作っているのか、なぜ作りたいのかに気づいた。私が求めているのは”完璧な作品を作る”ではない。私が求めているのが”制作”という行為そのものだ。子どもの頃から迷いなく作り続けてきたのは理想の世界を描くだけではなく、現実の世界と深くつながるためだ。
終わりのない研究と制作。自然の中に身を置く。
この二つの行為は、私の生活と精神の安定を維持する。私の疎外感を和らげ、帰属感を与えてくれる、世界と再びつながるための大事な儀式である。

王之玉 2024.9 


•略歴

王之玉 Zhiyu Wang
1999 中国黒龍江省生まれ
2017 来日
2022 東京藝術大学美術学部 絵画科油画専攻 卒業
2024 東京藝術大学美術研究科 油画技法材料第一研究室 修士課程修了 2024 東京藝術大学美術研究科 油画技法材料第一研究室 博士課程在学中

個展
2021「大いなる作業」 (TAKUSOMETANI GALLERY)

2023 「天外来物」 (台灣索卡藝術-離塵中心)

2024「告白」 (TAKUSOMETANI GALLERY)

主なグループ展
2019 「東京インディペンデント 2019」出展 (東京藝術大学陳列館)
2019 令和元年 東京藝術大学油画専攻2年進級制作展「/」 (東京藝術大学絵画棟)
2020 「ATOM ART AWARD 2019」出展 (コートヤードギャラリー)
2020 「久米賞・安宅賞・上野芸友賞合同展 2020」 (東京藝術大学絵画棟)
2020 「天使愛~最高級 脳の休息~」 二人展 (四谷未確認スタジオ )
2021 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻3年生展 「Remix」 (千代田3331)
2021 「TAION」出展 (青山スパイラル)
2021 「久米賞・安宅賞・上野芸友賞合同展 2021」 (東京藝術大学絵画棟)
2022 令和三年度 「東京藝術大学卒業・修了作品展」 (東京都美術館)
2022 王之玉・玉住聖・堀聖史 三人展 「聖玉の地」 (大阪 オパールタイムズ)
2022 「e to oto to…2022‐ART×MUSIC-」出展 (渋谷スクランブルスクエア)
2022 「第8回 平成藝術賞受賞作家展 -未来の大芸術家たち-」 (平成記念美術館)
2022 王之玉 奥野智萌 二人展「New Animal」 (日暮里屋上)
2022 「獸(第1章/宝町団地)」 出展 (contrast)
2022 「シブヤスタイル vol.12」 出展 (西武渋谷)
2022 東京藝大油画技法材料研究室修士一年展「Short Short」
(東京藝術大学絵画棟)
2023 「treatmentII」出展 (大阪 オパールタイムズ)

2023 「ULTRAOBJECTS」出展 (CON_)
2023 「愛のグリッチ:新しい公式」出展 (東京藝術大学陳列館)
2024 令和五年度「東京藝術大学卒業・修了作品展」 (東京藝大絵画棟)

受賞歴
2019 ATOM ART AWARD賞 受賞 2020 安宅賞 受賞
2021 上野芸友賞 受賞
2022 平成藝術賞 受賞
2022 O氏記念賞 受賞
2024 メトロ文化財団賞 受賞


王は現代錬金術師として、博物学、オカルティズム、心理学などからインスピレー ションを得て、生物と非生物、自然物と人工物、男と女など対立する性質を結びつ けてきた。 神秘的な要素を含むモチーフをシンボルとし、絵画、彫刻、インスタレーションな ど多くのメディアを通じて、新たな調和する世界を提示した。 現代社会が段々失っていく精神性と宗教性を備える場と時間を提示し、取り戻すことが王の目標である。

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