城愛音個展「Afterimage」
会期:2021年8月28日(土)-9月19日(日)
Open:13:00-19:00
月曜休廊
この度、TAKU SOMETANI GALLERY では、当ギャラリー2回目となる城愛音個展を開催いたします。
城は、1994 大阪府生まれ。2019 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画 修了。
在学中より、親や兄弟、親しい友人など、身近な人物のある瞬間を切り取り描き続けております。
その作品を城は、” 自身を描いたかのような「遠い自画像」” と言い表し、特徴のある鮮やかな色彩や筆のストロークで多くの鑑賞者を魅了しています。
是非この機会にご高覧頂ければ幸いです。
・アーティストステートメント
あなたが一歳、また一歳と年を取っていく様子。
少しづつ老いてゆく姿を私は後ろからじっと眺める。
その年々丸く小さくなる後ろ姿をみると、
時に分厚い透明な膜で胸の奥がつかえてしまうような心地になる。
いつか、目も眩むほど瞬きひしゃげてしまうんじゃないかと。
私は2016年頃よりしばらく、自分にとって親しい身近な人物を対象に作品を描いてきた。
人がみせる“何気ない一瞬”を切り取り、その人が取り巻く浮遊しているような感覚を描こうとしている。また、人間の”顔”に真正面から向き合うことは、自身の現状をうつし出す鏡のようなものであると考える。人物の在り様を探った筆跡の集積は、まるで自身を描いたかのような「遠い自画像」となる。
絵を描くこと、それはまるで「私」自身に向き合うこと。そして「誰か」に向き合うことによく似ている。
掴めたと思えば向こうから振り落とさたり、こちらから裏切ったり。じっくりと時間をかけて互いの対話を繰り返し、不確かな到達点を目指す。画面の上では疾走、焦燥、軽やかさを感じながらストロークを加えてゆく。
筆致の角度、流れる方向、筆を置く力加減、これらの要素次第で表情を変え少しずつ、“人物”を取り巻く空間とその像が姿を現しはじめる。冴えるようなグラデーション、直線的なストロークの集積が、反射光や眩しい一瞬の光のようにみえてくる。
私は素早く走る筆致の中で浮遊感を探り、見ること、描くことを往復し絵画体験に没入してゆくのだ。
瞬くように感じた時間、心地。
いずれ埋没してしまう、なにか。その閃光のような感覚をとどめれれば。
2021年7月 城愛音
城 愛音 略歴
1994 大阪府生まれ
2017 京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻 卒業
2017 第 32 回ホルベイン・スカラシップ 奨学生
2017 京都銀行美術支援制度 奨学生
2019 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画 修了
・個展
2017 MELT MEL(同時代ギャラリー・京都)
2018 MEL NEON(芝田町画廊・大阪)
2018 short pieces(同時代ギャラリー shop college・京都)
2019 あの日から(TAKU SOMETANI GALLERY・東京)
2019 閃光(ギャラリー恵風・京都)
2019 KobeArtMarche 城愛音 個展(神戸メリケンパークオリエンタルホテル・兵庫)
2020 contact(同時代ギャラリーBis・京都)
2020 contactⅡ(芝田町画廊・大阪)
2021 城愛音 展(Oギャラリーeyes・大阪)
・グループ展
2018 ARTIST FAIR KYOTO 京都アートラウンジ(HOTEL ANTEROOM KYOTO・京都)
2018 企画三人展「素材と形態」(SUNABAギャラリー・大阪)
2019 Kyoto Art for Tomorrow 2019-京都府新鋭選抜展-(京都文化博物館・京都)
2019 Future Artists Tokyo(東京国際フォーラム アートフェア東京 2019 会場・東京)
2019 ARTIST FAIR KYOTO(京都文化博物館別館・京都)
2019 Group exhibition “KYO”(庵町家ステイ美濃屋町町家・京都)
2020 VOCA 展 2020 現代美術の展望-新しい平面の作家たち(上野の森美術館・東京)
2020 ゲシュタルトの祈り(2kw gallery・滋賀)
2020 Theextracted element 2020(O ギャラリー・東京)
2021 身近な存在(庵町家ステイおく材木町町家・京都)
・受賞
第 66 回奈良県美術展覧会(知事賞)
第 37 期国際瀧冨士美術賞(優秀賞)
2016 年度京都市立芸術大学作品展(同窓会賞)
・参考文献 吉原美惠子:「VOCA 展 2020」カタログ(テキスト)