市川詩織個展『Staying Pets』

「換毛期の猫のおばけ」/2021/27.5x43cm/紙にシルクスクリーン/Edition: 3

市川詩織個展『Staying Pets』

会期:2021年7月17日(土)ー8月1日(日)

Open 13:00-19:00 (月曜休廊)


この度、TAKU SOMETANI GALLERY では、市川詩織個展『Staying Pets』を開催します。

市川は一貫してペット動物と人間の関係性をシニカルに表現した作品を発表しています。

その作品は鑑賞者へ人の本質を映しているようにもみれます。今回の個展では、ペット動物に対するより深い考察を含んだ新作を展示いたします。

この機会にご高覧頂ければ幸いです。


(Stay: とどまる、〜のままでいる、滞在する、待て、延期する、和らげる, etc.)

ステートメント:

最近、住む場所を変えた。

長年共に暮らした家とその中に住む人間、そして猫と少しばかり距離を置く日常の始まり。

変化と共に得たのは、元いた島を少し離れたこころから客観的に見る、小舟のような場所だ。

家を移ろうと考え始めた時、今まで当たり前にそばにいた猫という存在が、少しだけ自分から切り離される感覚があって、私は猫を作品にできるようになった。猫は私の心に近すぎるせいか、なかなか描けない存在で、前に描いたのは先代の猫が寿命を迎える少し前と、直後の少しの期間だった。つまり、彼らが私の肉体と精神から切り離された時に初めて、彼らの姿を捉えられるようになったのである。

その事実は、彼らが当たり前の存在であった期間、私が彼らを私の世界に取り込み、それぞれの世界の存在をないがしろにしていたことを意味していた。私は利己的な自身に少し恐怖し、そして彼らに申し訳なく思った。

ペットというのは、その一生を人間にケアされ、飼い主の価値観にやや翻弄されながら過ごす存在だ。その奇妙な一生は、彼らにとって居心地が良い場合もあるし、その反対の場合ももちろんある。彼らを取り巻く状況の面白いところは、今回の転居で自身に落胆した私を含め、人間が彼らにとって幸せとは何かと悩み、その正解がこの先得られないという、半ば無意味とも思える議論の時間を惜しまないことだろう。そんな議論の最中も彼らはどこ吹く風、構わず好きに生きているのも良い。

彼らは私たちの預かり知らぬ世界を持ち、おおらかにそこに留まり、過ごし、豊かに生きている。かもしれない。ペットに限らず、人間や、他の生き物に対しても、それぞれの世界の想像をやめずに生きていきたいと願う。今の自分に思いつく可能性を、版画とドローイングで示した。


Education 

2012 – 2016

Tokyo University of the Arts,

B.A. of the Oil painting department 

東京藝術大学 絵画科 油画専攻 学士

2016 – 2018

Tokyo University of the Arts,

M.A. of the Print making department 

東京藝術大学 大学院美術研究科 絵画専攻 版画研究分野 修士

Awards 

2018

INDEPENDENT TOKYO TAGBOAT特別賞

Exhibitions 

Solo

2018

Shiori ICHIKAWA Drawing show! at Nezu curry Luckey

2018

Hey Human, (ねぇ人間、) at tagboat Gallery 

2019

2020

2021

FUNNY BONE at TAKU SOMETANI GALLERY

SLEEPING INSTINCT at Gallery Soumei-do

Group

2017

「ZURETA / INTERNATIONAL CONTEMPORARY PRINTED ART」

Tokyo University of the Arts(日本)

College of Fine Art of Shanghai University(中国)

Galéria Medium / Medium Gallery, Bratislava(スロバキア)

NEON Gallery, Wroclaw(ポーランド)

‘Shotai’ Exhibition 

2018

なでたような跡がある at 表参道画廊

2019

Sur and Smile (at s+arts gallery)

2020

s+arts summer exhibition (at s+arts gallery)  

2021

blooming sensations (at s+arts gallery)  

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