関係性のないイメージを組み合わせ、シルクスクリーンにより再構成された作品や、一つのモチーフを分解し網点により構成した作品があり、近年では新たな技法にも取り組んでいる。
今後も目を離せない注目の作家の一人です。
-アーティストステイトメント-
点描のように、密集するドットが1つの画像を浮かび上がらせる。
画像の陰影があるから点が存在し、点が陰影を作るから画像が存在するという状況を
Co-shape(共形)と呼ぶことにした。
網点と全体は個々で形を成しながら同じものでもあり、それは “私” と ”私の細胞” のように意識し合っていないが、互いが互いを成り立たせている関係と似ている。
また、インクジェットで印刷された画像の上に網掛けの別の画像を重ね合わせると、2つの像が影響しあいながら画面を作り上げる。これも共形のひとつだと考えている。一見、無関係に見える画像が結び付くことで生まれる、構図のバランスやリズムを見つけることで、2つの像が関係を持ち、切り離せないものへと変わっていく。
画像に網掛けを施しシルクスクリーンで紙に刷ると、中心に写っているモチーフのみが特別扱いされるのではなく画面全体が均質で、写真や画像というよりもインクや紙などで構成される物体であるということが顕著になる。すると、画面に映し出された奥の情報を読み解く以外に、表面の凹凸や構図のバランス、リズムなど手前や全体に焦点が当たり画面の内にあるモチーフの順位が変わったりする。
手前にある作品表面とその奥に映っている情報を交互に行き来しながら、見ている物の順位を絶えず更新していくと、違った切り口の見方を日常にも発揮できるかもしれない。
2018年11月 小西景子
個展「Co-shape」/2018/TAKU SOMETANI GALLERYより
小西 景子 Keiko KONISHI
2017年3月 京都市立芸術大学 大学院 修士課程 絵画専攻(版画) 修了
展覧会歴
2015年 「ナップザック バックパック リュックサック」/深井ビル空きテナント
「ゆはん展」/京都市立芸術大学 大ギャラリー
2016年 「向こうでテレビの音がする」/Second rooms(向日市)
「PORTO DI STAMPA 2016」/アートゾーン神楽岡
「通りぬけフープ」/ギャラリー@KCUA
2017年 「PORTO DI STAMPA 2017」/アートゾーン神楽岡
2018年 個展「Co-shape」/ TAKU SOMETANI GALLERY
2019年 個展 「Imitation of south wind」/芝田町画廊
2020年 個展「浸透する光の姿」/アートゾーン神楽岡
2020年 グループ展「こえる、境界線」/no-mu(京都府亀岡市)